はじめに
このブログ記事では、名競走馬であり種牡馬のノーザンダンサーについて詳しく解説していきます。その競走馬としての実績、種牡馬としての成功、そしてノーザンダンサー系とその影響についてまとめています。これにより、あなたはノーザンダンサーについての知識が豊富になることでしょう。
競走馬としてのノーザンダンサー
ノーザンダンサーは1964年に初めてケンタッキーダービーを制したカナダの競走馬であり、その後も多くの競走で活躍しました。彼は2歳の時にカナダのサマーステークス、コロネーションフューチュリティ、ニューヨークのレムセンステークスを制し、カナダチャンピオン2歳牡馬となりました。3歳になると、フラミンゴステークス、フロリダダービー、ブルーグラスステークスを制し、ケンタッキーダービーの有力候補となりました。
ケンタッキーダービーでの活躍
ノーザンダンサーはケンタッキーダービーで勝利を収め、カナダ生まれの馬として初めての快挙を成し遂げました。彼はこの勝利により、アメリカでも最優秀3歳牡馬に選出され、更なる活躍が期待されました。
彼はプリークネスステークスでも優勝を果たしましたが、アメリカ三冠がかかった最終戦のベルモントステークスでは3着に終わりました。その後、彼はカナダに戻り、最後のレースであるクイーンズプレートを制しました。
ノーザンダンサーは最優秀2歳牡馬となる
ノーザンダンサーは、カナダで最優秀2歳牡馬に選出され、アメリカでも最優秀3歳牡馬に選出されました。このことからも、彼が競走馬として非常に優れた能力を持っていたことがわかります。
彼はまた、多くの競走で勝利を収めたことから、その活躍はカナダだけでなく世界中に広がりました。
種牡馬としてのノーザンダンサー
父系でPharosとHyperionを通じてChauserのクロスが見えます。
そして母系において、Hyperionの父GainsboroughとMumtaz Mahalの仔からNatalmaにつながってきて、Gainsboroughのクロスが入っているのがいいですね。
ノーザンダンサーは競走馬引退後、種牡馬としても大変な成功を収めました。彼はその後の世代の競走馬の血統に大きな影響を与えたことで知られています。
ウィンドフィールズファームでの活躍
ノーザンダンサーはカナダのウィンドフィールズファームで繋養され、初年度種付料は1万ドルでした。彼は2年目の産駒でイギリスのクラシック三冠を制するニジンスキー（Nijinsky）を出しました。その後もステークス競走を勝つ馬を次々に排出し、アメリカのみならず世界中の生産者からも高い人気を集め、その後も多くの競馬に関わる人たちによってその価値は認識されていきました。
彼の名前は国際的に知られるようになり、北米だけでなく世界レベルで成功した種牡馬となりました。彼はセントサイモンに次ぐ2位の遺伝的影響力を持つと報告されています。
産駒の成功
ノーザンダンサーは種牡馬としても成功し、最初の産駒が競走馬になるとすぐに成功しました。彼の産駒はヨーロッパでの活躍が目立ち、イギリスのリーディングサイアーを4回、アメリカのリーディングサイアーを2度獲得しました。
さらに、彼の産駒の中からは各国でリーディングサイアーを獲得した多くの成功した種牡馬（例えばサドラーズウェルズ。日本においてもノーザンテーストがリーディングサイアーとなっています）が現れ、その人気はますます高まりました。彼の絶頂期には種付け料が100万ドル近くまで高騰し、彼の精液は金と同じ価値があると言われるほどでした。
ノーザンダンサー系の影響
ノーザンダンサーは競馬史において最重要の存在であり、競馬界に大きな影響を与えた競走馬です。彼の血統は世界中の競走馬に影響を与えており、現在活躍している競走馬で彼の影響を受けていないものを見つけるのが難しいほどです。多くの競走馬の血統表にその名が見られます。
世界的な影響力
ノーザンダンサー系は、馬の父系の一つであり、ミスタープロスペクター系と並んで世界の競走馬の血統勢力を二分しています。ノーザンダンサーは競馬史上でも並ぶものが少ない大種牡馬として成功しました。まずは世界各地での影響についてみていきましょう。
欧州でのノーザンダンサーの影響力
ノーザンダンサー系は欧州で圧倒的な存在感を示しており、特にサドラーズウェルズの子のガリレオが大繁栄しました。ガリレオの子フランケルも大流行中です。
2023年の凱旋門賞を圧倒的な末脚で制した3歳牡馬エースインパクトは、フランケルの子Cracksmanの産駒です。すでにフランケルの孫の世代が活躍しており、そのエースインパクトも2023年で引退、来年から種牡馬になることが発表されています。
オーストラリアではシャトル種牡馬がノーザンダンサーの血を広げた
オーストラリアではダンジグからその類まれなスピードを受け継いだデインヒルやグリーンデザートなどが成功しています。
馬は季節で発情期を迎えます。北半球と南半球で年に2回の種付けチャンスがあるということになります。4月ごろに北半球で種付けを終えた後、9月ごろに南半球へ移動してそこでさらに種付けを行います。これをシャトル種牡馬といい、農業で言えば二毛作ですね。日本ではシャトル種牡馬としてモーリス（オーストラリアで豪ダービーを勝ったHitotsuなどを輩出）が有名です。
シャトル種牡馬としてオーストラリアに行ったデインヒルが大変な影響力を見せます。リーディングサイアーを9回獲得するという偉業を達成しました。
日本での影響
日本におけるノーザンダンサー系はどのような勢力図なのでしょうか。ノーザンダンサーは古い馬ですが、サンデーサイレンス系が猛威を振るう中でもその影響力は絶大と言わざるを得ません。早速見ていきましょう。
吉田照哉氏が見出したNothern Dancer直仔・ノーザンテースト
ノーザンダンサー系といえばノーザンテーストですね。1980年代から1990年代にかけて、リーディングサイアーを10回獲得して大繁栄しました。サンデーサイレンス、トニービン、ブライアンズタイムに押されてしまいますが、ノーザンテーストは牝系に残ってその影響を残し続けています。
Lady Angelaの3×2とかなりインブリードがきつい。かなりの賭けのように思えるが、この血統の馬を購入して成功した社台グループの相馬眼たるや、すさまじいものがある。
ダイナカールなど牝馬の活躍馬を多く輩出したこともあり、母の父としての影響は圧巻で、リーディングブルードメサイアーを17年連続で獲得。その代表産駒はエアグルーヴ、サクラバクシンオー、ダイワスカーレットなど枚挙にいとまがありません。特にサンデーサイレンスとのニックスで真価を発揮しました。
残念ながらその父系は断絶してしまっており、ノーザンテーストの直系としては、メジロアルダンの子で、中国で繋養されているWu Diが最後の種牡馬とされています。
ガリレオ～フランケル その後
日本でもフランケルの子としてソウルスターリング（2016年阪神ジュベナイルフィリーズ、2017年オークス）やモズアスコット（2018年安田記念、2020年フェブラリーステークス）が活躍しました。そのスピード能力は日本の高速馬場にも対応できることを示しています。
モズアスコットの5代血統表を見てみましょう。ストームキャットをはじめとして母系がゴリゴリの米国血統でスピードが豊富な印象を受けます。ミスタープロスペクター系のミスワキ（Miswaki）のクロスがあります。ここが爆発力の根拠と言えるかもしれません。
His MajestyとGraustarkの全兄弟クロスが見える。
モズアスコットは芝ダート両G1を制した馬として、日本で種牡馬となっています。フランケル系のその他では、フランケルとウオッカとの仔・タニノフランケルも種牡馬として繋養されています。
2023年にはフランケル産駒のアダイヤー（2021年英ダービーなど）とウエストオーバー（2022年愛ダービーなど）が日本の優駿スタリオンステーションで種牡馬入りすることが発表されました。これら欧州で活躍した馬が日本でスタリオン入りするのはとても楽しみですね。
ニジンスキー系 マルゼンスキーが受けたバトンはどうなったか
ニジンスキーについてみていきましょう。残念ながらノーザンダンサーの初期産駒であるニジンスキーの父系は現在ではあまり見られなくなってしまっています。日本ではマルゼンスキーから繋がった父系が残っており、マルゼンスキー→スズカコバン→クラキングオーから、現在クラグオーが種牡馬として少数の子孫を残し続けています。
母系には母の父がワカオライデンというのはとても渋い。
ディープインパクト×ストームキャットの黄金配合
現在ではストームキャット系がサンデーサイレンス系とのニックスで活躍馬を多く輩出しています。ディープインパクトにストームキャット系の肌馬というパターンが黄金パターンの配合として知られています。2013年の日本ダービー馬・キズナや2021年に海外G1を3勝したラヴズオンリーユーなどが有名です。
日本におけるダンジグ系は
ダンジグの直仔として有名な日本調教馬はアグネスワールドでしょうか。日本調教馬として初めて英国のG1を勝った馬として知られています（2000年ジュライカップ。鞍上は武豊騎手でした）。
ダンジグはデインヒルやグリーンデザートを通して、オーストラリアなど世界中に広がっていったのは前の項目で記載した通りです。日本でもデインヒルの直仔で活躍したファインモーションなどがいます。
2024年から日本でスタリオン入りが確定している。ミスプロの4×3が入っており、ミスプロ系の肌馬につけるのは厳しいか。
シングスピールの名があるのが渋さを感じる。
そして2023年にはフクム（Hukum）が日本で種牡馬入りすることが決定しました。あの2022年世界最強馬として話題となったバーイードの全兄です。フクム自身もキングジョージ6世＆クイーンエリザベスステークスやコロネーションカップを勝っています。これだけ大物のSea The Starsの後継種牡馬が日本でスタリオン入りしてくれましたので、今後の活躍にとても期待ができそうです。
その他のノーザンダンサーを受け継ぐもの
クロフネの系統（ヴァイスリージェント系）がダートを中心に活躍しています。クロフネ産駒のソダシが白毛馬として世界で初めてG1を勝つなど話題になりましたね。ソダシの全妹であるママコチャも2023年のスプリンターズステークスを優勝しました。
しかしながらクロフネは優秀な牝馬を多く輩出したものの、後継種牡馬を残すことができていません。このままでは父系は途絶えてしまうことでしょう。
まとめ
ノーザンダンサーは、競走馬としても種牡馬としても非常に優れた成績を収めた馬であり、その血統は現在も世界中の競走馬に影響を与えています。彼の成功はカナダだけにとどまらず、アメリカやヨーロッパ、日本など世界中に広がっています。この記事を通じて、ノーザンダンサーについての詳しい情報をお伝えできたことを喜ばしく思います。これからも彼の子孫が競馬界を盛り上げてくれることでしょう。
