はじめに
今回のブログでは、日本調教馬史上初の海外ダートG1制覇を達成したマルシュロレーヌについて詳しく調べていきます。血統や成長過程、ダート路線での活躍、また米国遠征の舞台裏など、マルシュロレーヌのすばらしい実績についてじっくり検証しましょう。
血統について
マルシュロレーヌは、父オルフェーヴルが知られる名馬であり、母ヴィートマルシェも実績のあるキョウエイマーチの娘であることから、血統に恵まれています。日本だけでなく世界で活躍した名馬が並ぶ系譜にも着目しましょう。
父オルフェーヴルについて
父のオルフェーヴルは日本のダービー馬であり、海外でも実績のある名馬です。また、種付け頭数ランクを上げる種牡馬としても成功し、クラシックホースを輩出しています。
しかしオルフェーヴル産駒の勝ち上がり率は低く、当たり外れが大きいため、「秘められた才能を引き出す馬主ならば大変名誉ある事」としている人もいます。
母ヴィートマルシェ・母の母キョウエイマーチについて
マルシュロレーヌの母ヴィートマルシェは、1勝しか挙げられませんでしたが、その母は実績のあるキョウエイマーチです。また、マルシュロレーヌはキョウエイマーチから3世代に渡って名前を受け継いでいることから、血統的には非常に興味深い馬になっています。
ヴィートマルシェには他にも実績のある兄弟馬がいることから、母からは特別な才能が受け継がれていると言われています。
成長過程
マルシュロレーヌは幼少期から特徴的な体型で知られており、その後もじっくりと時間をかけて心身のバランスを整えてきました。ここでは彼女の成長過程を詳しくみていきましょう。
幼少期～イヤリング時代
彼女は幼少期には母産駒とは異なるタイプで、優等生で手のかからない性格だったと言われています。また、イヤリング時代には身体が大きく成長し、重厚感のある馬体になりました。
しかし、夜間放牧の影響でコンディションが悪化し、時間をかけて立て直す必要があったため、遅れてデビューを迎えることとなりました。
デビュー前の調教とメンタルケア
マルシュロレーヌは佐藤信乃介厩舎長によって、調教とメンタルケアに重きを置かれ、その結果彼女の操縦性が格段に向上しました。それにより、厩舎内では彼女に対する期待が高まり、将来への期待も大きくなりました。
また、マルシュロレーヌは当初芝馬と見られていたが、成長するにつれてダート競走で活躍することが期待されるようになりました。
ダート競走での活躍
マルシュロレーヌはダート競走で目覚ましい成績を残しています。2019年のデビューから、国内外の大舞台で活躍するまでを振り返りましょう。
マルシュロレーヌのデビュー
マルシュロレーヌは意外にも芝レースでデビューしました。芝レースで活躍したオルフェーヴル産駒ということが影響したのかもしれません。新馬戦は池添謙一騎手を背に京都競馬場芝1600mでした。このレースではアイラブテーラー（のちに淀短距離ステークス（L)の勝ち馬）の2着となりました。その後勝ち星に恵まれませんでしたが、5戦目に福永祐一騎手に導かれて、小倉競馬場での芝1800mのレースで初めて優勝することができました。2勝クラスまでは芝のレースで勝ち上がりましたが、3勝クラスの博多ステークス2着を機に、ダートレースに転向します。
初めてのダート戦は、小倉競馬場で行われた桜島ステークスでした。このレースでマルシュロレーヌは最後の直線で粘るクリノフラッシュを豪脚で一気に差し切り、見事オープン入りを果たします。ダート転向はマルシュロレーヌにとって大きな転機となりました。
地方競馬での実績
ダート転向2戦目で大井競馬場で行われるダート1800mのレディスプレリュードに出走します。ここを快勝し、その後もJBCレディスクラシック3着、TCK女王杯1着、エンプレス杯1着と地方交流重賞で好成績を収めました。
その後も力強さとやる気が増し、乗り手の選択肢が限られるほどの強力な競走馬に成長しました。紋別の重賞（ブリーダーズゴールドカップ）に勝利した後、マルシュロレーヌは米国へと向かいます。
ブリーダーズカップディスタフでの歴史的勝利
マルシュロレーヌは、ブリーダーズカップディスタフに出走するために米国へ遠征し、見事に勝利しました。この勝利により、自身初のGI優勝とオルフェーヴル産駒のダートG1初制覇、日本調教馬として初の海外ダートGI制覇を達成し、歴史的な快挙を成し遂げました。
また、この勝利は日本のダート競走の地位を高めることにも繋がり、マルシュロレーヌは日本馬として初めて『モーメント・オブ・ザ・イヤー』に選出されました。
アメリカ遠征の舞台裏
ブリーダーズカップディスタフでの歴史的勝利に至るまでのアメリカ遠征の舞台裏にも注目しましょう。現地での調整やコロナ禍での飛行機の輸送など、遠征にはさまざまな苦労がありました。
遠征の準備と現地調整
遠征の準備には時間がかかるため、早めに計画が立てられることが望ましいです。現地滞在からレースまでの順調な過程も重要であり、矢作調教師がアメリカのダートにマルシュロレーヌが合うと考え、期待を寄せていました。
計画的な遠征準備と現地での丁寧な調整により、マルシュロレーヌはレースに向けて最高のコンディションを整えることができました。
飛行機の輸送とコロナ禍での影響
コロナ禍の中での飛行機の輸送には苦労が伴いました。最終的にはマルシュロレーヌとラヴズオンリーユーの2頭が早めに出国し、他の競走馬たちは後日出発することになりました。
このような困難な状況でも、チーム一丸となってマルシュロレーヌをサポートし、最終的には歴史的勝利に繋げることができました。
まとめ
マルシュロレーヌは、血統や成長過程、ダート競走での活躍とアメリカ遠征の舞台裏など、数々の話題を持つ名牝です。彼女の輝かしい活躍は、日本調教馬の海外での評価向上に貢献し、後続の競走馬たちにも大きな影響を与えることでしょう。
今後もマルシュロレーヌの活躍に期待し、日本競馬のさらなる飛躍を願っています。
