はじめに
この記事ではマイル戦線で活躍したソングラインの引退後について、詳しくシミュレーションしていきたいと思います。
彼女は引退後にノーザンファームで繫殖生活を送ることになります。
そんな彼女の初年度種付け相手は誰になるのかを、いろいろと妄想を繰り広げながら進めていきたいと思います。
ソングラインの戦績
まずはソングラインの戦績についてみていきましょう。
2022年・2023年の安田記念、そして2023年のヴィクトリアマイルを制したマイル界の女王・ソングライン(2018年3月4日生まれ)。
ヴィクトリアマイル→安田記念のローテーションは、レース間隔がかなり厳しいものです。あの名牝・グランアレグリアでも成し遂げることができませんでした。過去にはウオッカが両レース同年制覇しています。
ソングラインのラストランはアメリカで行われたBCマイルでした。結果は5着でしたが、名誉あるブリーダーズカップの舞台で掲示板に入ったのは素晴らしい戦績と言えるでしょう。
彼女の通算成績は17戦7勝、獲得賞金はJRAだけで6億8855万円でした。
同期にはマイル戦線で鎬を削ったシュネルマイスターやソダシがいます。こちらの2頭も今年で引退が発表されています。
同期で戦ったシュネルマイスターとの子どもを見てみたいよね
それはあとでシミュレーションしてみるから少し待っててね
ソングラインの配合相手は? 血統シミュレーションをしてみた
配合相手を選んで血統シミュレーションを行う前に、ソングラインの5代血統表について確認しておきましょう。
netkeibaさんからお借りしました(以下の5代血統表、配合シミュレーションの画像も同様です)。
ソングラインは父キズナ×母ルミナスパレード(その父シンボリクリスエス)です。
そしてサンデーサイレンスの3×4と、サンデーサイレンスとロベルト(Roberto)を経由してヘイルトゥーリーズン(Hail to Reason)の5×5のクロスが入っていますね。
サンデーサイレンス系の種牡馬はインブリードがきつくなってしまうので対象外としたいと思います。
そこでやはりミスプロ系(キングカメハメハ系)を中心に検討していきます。
今回のシミュレーションでは4頭をピックアップしました。
- シュネルマイスター
- ロードカナロア
- ルーラーシップ
- ドレフォン
では行きましょう。
シュネルマイスター
サンデーサイレンスのクロスはソングライン自身が持っているもので、シュネルマイスターにはサンデーサイレンスの血が入っていません。
サンデーサイレンスの血が入っていないのはシュネルマイスターの強みですね。NHKマイルカップを勝っていますし、早熟性とスピード性能を兼ね備えています。きっとサンデーサイレンス系やディープインパクト系の肌馬に人気になるでしょう。
肝心のシュネルマイスター×ソングラインはどうでしょうか。
シュネルマイスターの父キングマンはフランスのジャック・ル・マロワ賞を勝ったヨーロッパのマイラーです。
シュネルマイスターとソングラインも優秀なマイラーでしたので、おそらく短距離~マイラーの子が出ると思います。
ただ、シュネルマイスターの母系にサドラーズウェルズやケーニヒスシュトゥール(ドイツ系)のような、「重め」の血が含まれており、これが世代を経る中でどのように作用していくかに注目です。
ソングライン自身はサンデーの奇跡の血量を持っていますし、ストームキャット系の血も入っていて、スピードが豊富な印象です。
牝系に入ると爆発力が増すマキャベリアン(Machiavellian)が、ソングラインの血統表中に含まれています。ヴィクトワールピサやヴィルシーナの母の父として知られていますよね。ミスプロ系のマキャベリアンの早熟性・爆発力が出ることにも期待できそうですね。
母の父がキズナという産駒はまだ少なく(2023年12月現在で登録されている馬は2頭いるようです)、データに乏しいです。
しかし、
ロードカナロア×ソングライン
ロードカナロアはもはや説明不要の名スプリンターで、種牡馬としてもアーモンドアイなど活躍馬を多く輩出しています。
同じ短い距離で活躍したソングラインとの配合で、スピード能力が高い産駒が期待できそうです。
ストームキャットの奇跡の血量(3×4)が入りますし、ソングライン自身が持っているサンデーのインブリードもあります。
ロードカナロア自身がそうですが、キンカメ×ストームキャットのニックスで爆発力も期待できますね。
シンボリクリスエスにディープインパクト、キングカメハメハが入ってしまうので、その後の血統構成に難しさが出てくるかもしれませんね。海外から導入する繁殖(種牡馬/繫殖牝馬)に限定されてしまうかもしれません。
ルーラーシップ×ソングライン
ルーラーシップもロードカナロアと同じくキングカメハメハの産駒で、彼の母は名牝エアグルーヴです。彼の代表産駒と言えば、やはりキセキですね。
ルーラーシップ産駒は中距離路線で活躍する競走馬が多かったですが、近年の産駒成績を見てみるとソウルラッシュなどマイル路線で活躍するものも出ています。
彼もシュネルマイスターと同様にサンデーサイレンスの影響を受けていません。
エアグルーヴの血を受け継ぐルーラーシップと、アグネスフローラの血を持つソングラインの配合はきっとクラシック戦線で活躍する競走馬を生み出すでしょう。
ドレフォン×ソングライン
最後にドレフォンです。
ドレフォンは現役時にブリーダーズカップスプリントを制した快速馬です。日本に導入された初年度産駒で、皐月賞を勝ったジオグリフを出しました。ドレフォンはその現役成績からダート馬を出す印象を持たれがちですが(実際ダートの方が戦績がいいですが)、ジオグリフのおかげで芝でもG1級の走りを見せる産駒が出せることを証明しました。
おそらくゴーストザッパー(Ghostzapper。BCクラシック勝ち馬)が入っていますし、母系にはシャーペンアップ(Sharpen Up。ネイティブダンサー系)がいますので距離の柔軟性があるのかもしれません。ドレフォンの父・ジオポンティ自体はアメリカの芝レースで活躍した馬でしたから、馬場の柔軟性もあると思います。
2024年以降は3歳ダート戦線が整備され、JRAでダート三冠が制定されます。ドレフォン産駒はダート戦でも期待できますし、日本の高速馬場と言われる芝レースでもその優れたスピード能力を継承できれば対応できると思います。そもそも母がソングラインですし、スピード能力は高い産駒が生まれることは間違いありません。
ストームキャットのインブリードは4×4でいい具合の血量です。後継を考えていくとしてもきつ過ぎるインブリードにならないのは好印象です。
まとめ
ソングラインの戦績を振り返りながら、稀代のマイラー女王の種付け候補となる種牡馬を考察してきました。
個人的にはドレフォンがいいかなと思っていますが、ノーザンファームの方々はどの馬を選択されるのでしょうか。
シュネルマイスターは同期で同じ路線を走りましたので、シュネルマイスターとの種付けもロマンがありますよね!
ソングラインは私たちをそのレースぶりでたくさん楽しませてくれましたが、彼女の活躍はまだまだこれからも続いていきます。
彼女の子どもたちが活躍することを期待して、これからもソングラインの応援を続けていきましょう。