はじめに
ジェンティルドンナは、日本を代表する競走馬であり、多くの重要なレースで勝利を収め、牝馬として最高の評価を受けています。そのあだ名は「貴婦人」。本記事では、ジェンティルドンナの魅力や功績について、以下のトピックで詳しく紹介していきます。
ジェンティルドンナは父はディープインパクト、母はイギリスの短距離G1を勝ったドナブリーニ(母の父はBertolini)です。母のドナブリーニはタタソールズ・ディセンバーセールでノーザンファームが購入した繁殖牝馬で、ジェンティルドンナはその2番仔でした。
牝馬三冠の快挙
ジェンティルドンナは史上4頭目の三冠牝馬であり、その強さは多くの競馬ファンから称賛されています。彼女の三冠達成について、次のトピックで具体的に見ていきましょう。
2歳デビュー時の期待
ジェンティルドンナは、デビュー前から優れた評価を受けていました。その素質に石坂正厩舎の期待が寄せられましたが、新馬戦では惜しくも2着。続く2戦目の未勝利戦で初勝利を挙げました。
そして次走のG3シンザン記念では前年朝日杯フューチュリティステークスで4着だったトウケイヘイロー(のちに札幌記念などを勝利)に次ぐ2番人気を背負い、重賞初制覇を果たします。これにより、陣営の期待通り牡馬混合の重賞レースで無事賞金加算をすることができ、史上4頭目の三冠達成が期待されるようになりました。
牝馬三冠を達成
ジェンティルドンナは、鞍上を岩田康誠騎手としてG2チューリップ賞を経て、G1桜花賞に見事優勝。二冠目となるオークスでは史上最大着差となる5馬身差で圧勝しました。さらに秋華賞でも1番人気で勝利し、見事に牝馬三冠を達成しました。この時、桜花賞から秋華賞まで2着となったのが、「大魔神」こと佐々木主浩氏が馬主であるヴィルシーナでした。ヴィルシーナはのちにヴィクトリアマイルを連覇するほどの馬でしたから、ジェンティルドンナの強さは日本競馬史上でも稀にみるものといえるえしょう。
三冠達成により、彼女の父ディープインパクトとの父娘三冠となりました。これは史上初であり、異なる騎手での三冠(オークスは諸事情により主戦の岩田康誠騎手ではなく、川田将雅騎手でした)も史上初であったことから、その評価はさらに高まりました。
ジャパンカップでの活躍
ジェンティルドンナは、ジャパンカップにおいても輝かしい戦績を残しています。本節では、彼女のジャパンカップでの活躍について詳しく解説していきます。
3歳牝馬でのジャパンカップ史上初優勝
ジェンティルドンナは、当時現役最強とうたわれたオルフェーヴルを下し、3歳牝馬として史上初のジャパンカップ優勝を果たしました。また、この年の成績は4勝を含む7戦6勝であり、最優秀3歳牝馬に選出されました。
さらに、牝馬三冠馬として、そして3歳の牝馬としても初となるJRA賞年度代表馬にも選ばれました。彼女の勝利により、日本調教の牝馬として最高の評価を受け、世界1位の評価も得ました。
連覇達成
ジェンティルドンナは、ジャパンカップで連覇を達成しました。この活躍により、彼女は引退後も多くの評価を受け続け、ディープインパクト産駒の中でも最も功績のある名馬と言えます。実際にディープインパクト産駒の中では最高額の獲得賞金を得ています。
彼女の連覇が示すように、ジェンティルドンナは非凡な素質を持つ牝馬であり、多くの競馬ファンから愛される存在となっています。
ドバイ及び有馬記念での勝利
ジェンティルドンナは、ドバイシーマクラシックや有馬記念でも見事に優勝。これらのレースでの勝利も彼女の魅力をさらに高めています。
ドバイシーマクラシックでの優勝
5歳のとき、前年のBCターフ覇者・マジシャンに1番人気を譲りましたが、ジェンティルドンナはドバイシーマクラシックで優勝しました。最終コーナーまでは中団前目で競馬をしていましたが、直線に向いた後進路が狭くなり、厳しいレースとなりました。しかし名手ライアンムーア騎手の騎乗で外に持ち出し、見事残り100m辺りで抜け出すことに成功。これにより、前年2着に終わった雪辱を晴らし、日本の牝馬としては初めてドバイG1を制覇する快挙を達成しました。
彼女の圧倒的なパフォーマンスによる勝利で、日本の競走馬が世界に通用することが証明され、日本競馬界の評価もさらにアップしました。
有馬記念での勝利
ジェンティルドンナは、引退レースとなる有馬記念でも優勝し、その強さを見せ付けました。この勝利により、史上稀に見る豪華メンバー(宝塚記念連覇のゴールドシップ、世界トップレーティング馬のジャスタウェイ、同年ジャパンカップ覇者のエピファネイアなど)の中での勝利となりました。牝馬の勝利としては、ダイワスカーレット以来のものでした。
彼女の有馬記念での勝利は、日本競馬界における牝馬の記録として語り継がれているでしょう。
競走馬引退後の活躍
ジェンティルドンナは競走馬を引退後も、繁殖牝馬として活躍しています。本節では、彼女の引退後の活躍について解説していきます。
母子G1制覇
ジェンティルドンナは、競走馬引退後に繁殖牝馬となりました。彼女は3番仔のジェラルディーナ(父はモーリス)が2022年のエリザべス女王杯を制し、母子G1制覇を達成するなど、引退後も競馬界にその名を轟かせ続けています。
彼女の母子G1制覇は、競馬界においても稀有な成功例であり、その血統の素晴らしさが引き継がれていると言えます。残念ながら2022年はエピファネイアを種付けしましたが不受胎となりました。2023年にはドレフォンとの仔が生まれています。
彼女自身がディープインパクト系のため、サンデーサイレンスの血が入っていないか、もしくは薄い種牡馬の種付けとなってしまいます。実際、初年度から2年間はキングカメハメハと交配され、翌年はモーリス(のちのジェラルディーナとなります)、その後もキングカメハメハ後継のロードカナロアなどが選択されています。
初仔と4番仔が繁殖入りしており、ジェラルディーナもいずれは繁殖入りすると思いますので、ジェンティルドンナの牝系は大いに発展していくことでしょう。
まとめ
ジェンティルドンナは、牝馬三冠達成やジャパンカップ連覇など数々の偉業を成し遂げた名馬です。彼女は競走馬としての活躍だけでなく、引退後も繁殖牝馬として母子G1制覇などの快挙を達成しています。このようなジェンティルドンナの魅力や活躍を通じて、日本競馬界の発展に大きく貢献していることは間違いありません。
彼女の活躍から、競馬界の将来に期待が寄せられることでしょう。ジェンティルドンナが築いたその軌跡を、これからも忘れずに記憶に留めておくことが大切です。